ugo Tech Blog

ugoの日々の開発・生産について

ugoのアームについて (1)

はじめまして、大霜です。

ugo Proとugo Rには2本のアームが搭載されています。この2本のアームと顔によってugoは人に似て、親しみやすいロボットになっているのではないかと考えています。

今回はそんなアームについてご紹介します。

ロボットアームについて

ugoのアームについて話す前に「ロボットアーム」について話そうと思います。ロボットアームは工学分野では一般に「マニピュレータ」と呼ばれます。

マニピュレータは構造によって複数の種類に分けることができます。少し例を挙げると、

  1. xyz軸方向にスライドする機構をもつ直角座標形式の直角座標ロボット
  2. 動作機構が円筒座標系である円筒座標ロボット
  3. 動作機構が関節によって構成される関節ロボット

などがあります。

では、ugoはどのような分類になるかというと、上記に挙げたものの中では関節ロボットというのがあてはまりそうです。

しかしugoのアームは1つではありません。アームが2本あるようなロボットのことを一般に双腕ロボットといいますのでこれをふまえると双腕関節ロボットということができるかなと思います。

ugoのセンサについて(2)

はじめまして、樋詰です。

みなさんは、ugoで使用しているセンサの中で最もポピュラーなものは何だと思われますか?
このブログの読者にはもうお察しの方も多いと思います。

 

・・・

 

はい、そうです。超音波センサです。
光センサもいい勝負かも知れませんね。

 

移動体ロボットでは定番とも言える超音波センサですが、実用化されてからの歴史の長さや応用範囲の広さでもトップクラスと言えるのではないでしょうか。

今回は、そんな超音波センサについて、今更ながらではありますが ugo での使い方の一片とあわせてご紹介します。

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Unityを活用したロボット現場シミュレーター環境の構築

こんにちは、白鳥です。

今回はロボット(ugo)を開発する上で使用しているシミュレーターについて紹介いたします。

ロボットに限らず、開発では作成した物、コードの検証が必要です。ugoでは、小さいながらも実験スペースを確保し、日々試験をしています。

しかし、実際にugoを動かすためには、十分な広さや安全を考慮しないといけません。また、長い距離を走らせようと思っても、走行できる環境はなかなか見つかりません。

そのため開発時は、シミュレーターを使った気軽に動かせる環境があると、効果的な動作確認が可能となります。シミュレーターをUnityで構築すれば、実機を動かさなくてもどこでも開発できるようになります。

Unityのアセットストアには、非常に便利なアセットがたくさん公開されているため、 部屋にオブジェクトの追加や人を歩かせたりすることが簡単にできます。ugoのシステムをローカルで実行してハードウェア部分(LiDARや移動、カメラ映像など)だけUnity側で仮想空間をエミュレートすれば、 ブラウザでugoを簡単に操作できる「ugo Portal」から仮想空間内に入って操作できるようになります。

では、Unityを活用したロボット現場の仮想空間を構築するシミュレーター環境の構築内容をご紹介します。

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ugoのセンサについて(1)

はじめまして、中村です。

ugoには多種多様なセンサが使用されています。
その中の一つに気圧センサがあります。今回は、この気圧センサについて紹介します。

気圧センサとは

気圧センサは大気圧を検知するためのセンサです。気圧センサはカーナビやドローンの位置推定など幅広い範囲で使用されています。
気圧センサの原理は主に2種類あります。

1. ピエゾ抵抗方式
圧力によって電気抵抗が変化するピエゾ抵抗効果を利用したものです。
構造が簡単で、精度が高いことが挙げられます。歪みゲージとも呼ばれます。

2. 静電容量方式
圧力によって電荷量が変化する圧電効果を利用したものです。
測定範囲が広いことや応答性に優れている事が挙げられます。
また、ピエゾ抵抗方式に比べて低消費電力、低ノイズです。

ugoと気圧センサ

ugoでは気圧センサをどのように有効活用しているのでしょうか。

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ugoの "ものづくり"

はじめまして、出口です。
今回は、弊社の”ものづくり”を紹介します。

私たちは、多くのスタートアップがファブレスを選択する中で、あえてファブライトな自社生産を実施しております。

ugoの外装の一部も自社の3Dプリンターを駆使して作っているんですよ!

まず、ファブレスの代表的なメリットとして、

  • 自社で生産に関する初期投資、設備のメンテナンスコストを持つ必要がなくなる。
  • 開発、BizDevなどのコア技術に資源を集中できる。
  • ファウンドリとしてのスケールメリットを利用し、製品コストを下げることが期待できる。

などが挙げられます。

通常は、ハードウェア製品の企画まではスタートアップが担当し、量産設計以降はEMSを提供する外部工場に製造委託します。そして、スタートアップはハードウェアと連携するソフトウェアやサービスを構築することに集中します。

ではなぜスタートアップがわざわざ面倒な自社生産を実施しているか、疑問をお持ちの方も多いかと思います。ugoでは2つの意図から自社生産を実施しております。

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アバターロボットのコンセプトデザイン

こんにちは、松井です。

今回は、ugoが今のコンセプトや製品デザインに辿り着くまでに、どのような過程を経ていったかについてご紹介したいと思います。

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そもそも、なぜアバターロボットを作ろうと思ったのか、そこからお話させてください。

きっかけ①:IoTの先

みなさん、"IoT"というキーワードはご存知でしょうか? "Internet of Things(モノのインターネット)"の略称で、身の回りにある様々なモノがネットワークにつながって便利に操作できるようになったり、状態を把握できたり、モノ同士を連携させたりすることができます。更にはスマート化とも言われているような、ビッグデータやAIとの組合せにより最適化や自律化へと発展していきます。

据置のモノがどんどんネットワークにつながって使えるようになると、モノとモノとの間を物理的に取り持つ役割が必要になってきます。ネットワーク化されたモノがある空間で人が常駐してそれらを橋渡ししていては本末転倒ですね。その役割に応えられる可能性があるのがモノとモノをつなぐロボットなのではないかと考えるようになりました。

アバターロボットの可能性

2010年代のロボットには、PepperのようなAIで対話ができる人型ロボットや、Double2のようなテレプレゼンスロボットやアバター(分身)ロボットが既に存在していましたが、その多くはコミュニケーション用途でした。

IoTの概念では、モノや空間が、最適化・自律化していく中で、物理的な作用もできるアバターロボットという人の分身としての存在が入ることで、相互補完的なバランスの取れた構成が実現できることになります。

きっかけ②:中国・深センと日本の状況

2010年代はMAKERムーブメントによって「ものづくり」は新しい時代に突入していました。多くの電子機器が中国で製造されるようになってから、ものづくりのノウハウやサプライチェーンは産業の成長と共にその地に根付いていきました。その中でも「紅いシリコンバレー」と呼ばれる深センは、若くて優秀な人材が集まり、工場だけでなく多くのIT企業も集まり、急速に成長しています。(私自身もハードウェアの量産で何度も深センを訪れて肌身で感じました。)

一方で、かつてものづくり大国と言われた日本は、ものづくりの技術は海外へ流出し続け、スペックアップの製品作りばかりしていたことで海外の製品とコスト競争になったり、海外の革新的な製品に負けてしまうような状況になりつつあります。更には、2008年以降人口減少し続けており、若い働き手も不足し超高齢化社会を迎えようとしています。

そういった背景の中、日本の社会課題を解決する、新しいタイプのアバターロボットを開発しようと、2018年に起業しました。

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Tech Blog、はじめました

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こんにちは、ugoの松井です。

私達が、「人 ✕ ロボ」「遠隔 ✕ 自動」の"融合"というコンセプトでロボットの開発をスタートしたのは、2018年。ロボットを、固定的な設備としてではなく、スマートフォンやアプリと同様に人の能力を拡張する道具として社会実装を進めてきました。

当時は、3ヶ月毎にスクラップ・アンド・ビルドと実証実験を繰り返すイテレーティブ開発で、毎年モデルチェンジを行ってきました。

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PMFを達成し1つの"かたち"が決まったところで、ugoのコア要素は何なのかを模索するため「引き算のデザイン」をしました。こうして出てきたラインナップがugo Standやugo Exでした。

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ラインナップが揃ったところで、ugoでは、部品製造の一部は自社製造に残しつつその他の部品を外部パートナー工場に委託、集結した部品を自社工場で最終アセンブルする、ハードウェア・スタートアップとしては珍しい「ファブライト」でロボットを量産しています。2021年後半から量産をスタートし、事業成長と共に着々と生産台数を増やしています。

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ugoにおける

「変化/進化できるものづくり」
「アップデートし続けるロボットサービス」

とは何なのか。

RaaS*1という仕組みづくりを通して、ビジネスモデル、開発プロセスアーキテクチャ、量産化プロセス、サプライチェーン、生産、メンテナンス、カスタマーサクセスなどなど...、本当に様々な面で試行錯誤を重ねてきました。

このTech Blogでは、私達が取り組んできた様々な技術やアプローチについて、紹介していきたいと思います。今後をお楽しみに!

 

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*1:Robot as a Service:ロボット製品を売切モデルではなくサービスとして提供すること